ベルサイユのばら 観劇感想

観劇
雪組公演 『ベルサイユのばら』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
雪組公演 『ベルサイユのばら』の情報をご紹介します。

見て参りました!ベルばら!

なんとなんとゆめゆめしい空間。

わたくし、原作はまっっったく読んだことはありませんでした。

でも登場人物は分かっていました。

有名すぎて。

人物相関図もこれで十分だろうと。

宝塚HPより

というわけで、予習なしで突撃です!

ごらんなさい♪ごらんなさい♪

初日映像で見ていたので初見ではない冒頭小公子、小公女たちの場面。

一面ピンク!ピンク!ピンク!

一瞬にしてベルばらの世界へ誘う大量のピンク!!

もう空間に花びらが舞っている幻覚さえ見えてきそうな雰囲気ですよ。

豪華絢爛な衣装、セット。

特徴あるセリフ回しに時代を感じますが、宝塚の古典芸能という先入観のおかげでなんの違和感もない。

違和感なく話している縁者がすごいんだ。

アントワネットとフェルゼンの出会い、フェルゼンとオスカルの出会いをテンポよく刻み、時には刻みすぎて原作知らないから置いて行かれそうになりがちな脚本ですが、まぁいける。

丁寧な描写が見たければ原作を読むがいいさって感じ。

流れと雰囲気についてきてー!

オッケー分かったー!!

みたいな(雑)

けれども全然気にならない。この世界観なら。

「平民が豪華な宮殿に迷い込んであちこちで繰り広げられる高貴な方々の会話の端々を盗み聞きしてしまったわ」と思って見たらめちゃくちゃ楽しいぞコレ!

真剣に感情移入するとフェルゼンの身勝手さが気になるんですが、考えないほうがいい。

華やかな宮殿、さびれた城、寒々しい牢獄などセットの作りこみも見事で、体感温度が変わった気さえした。

衣装の豪華さは言うまでもなく。

鬘も凄かった!重量が!(持ってないけど)

ラスト牢獄から処刑台、からのフィナーレは1本物ならではの「観客の感情フル無視」で大変素晴らしかったです。

咲ちゃんの大羽根が前回で最後と思っていたから、真っ赤な衣装と羽根でやいやいやってるトップスターが見れて感無量!

パレードではXで噂になってた「朝美オスカルの階段降りの時オケがうるさくなる説」のことすっかり忘れてて、アンドレ降りきった瞬間

ジャンジャンジャン!!!

と爆音何事?!と思ったら

「あ~!我が名は~!オースカーーーーール!!」

とかぶせてくるクソデカボイスに笑ってしまったではないか。

これ、千秋楽の配信でもばっちり差が分かって家族も笑ってました(笑)

伝統ある「ベルサイユのばら」

演目が発表されたときは賛否ありで、私も見たことないくせにローテンションだったことをここに懺悔する。

すいませんでした。

贔屓がぐぅの音も出ないほどの生オスカルになってくれて、ベルばらを堪能できましたことは、ヅカファン人生において財産だと思います。

もっかい見たい。

朝美オスカルについて

漫画から抜け出てきたよう、という言葉が独り歩きしない美貌。

朝美絢の顔面力はやはり大きな武器なのだと思い知らされたオスカル役。

顔で落ちた自分としては、観る者を真っ先に頷かせる造形美の説得力にドヤっていたのでした。

その後肩透かしさせないのが朝美絢の実力。女性で男役だけど男装の麗人という行って帰ってみたいなキャラクターに息を吹き込む芝居力。

今宵一夜での女性に戻ってしまった演技はかわいらしくもなんか切ない。

アンドレを失い、バスティーユの場面では、これまで見たことのないあーさの煮えたぎる怒りの感情がビリビリと感じられ、こちらが息をするのを忘れるほどの気迫。

撃たれて倒れた瞬間、白目剥いておられたよ。

パレード、穏やかな笑顔で降りてこられるオスカル様を見て、天国でアンドレと一緒なのねと思わせてくれて良かったよ(声デカいけど)

あさカルに出会えて幸せでした!!

以下キャスト別の感想

彩風フェルゼン

退団公演である咲ちゃん。長いマントにロングブーツが映える映える!

馬車のシーンは股下2メートルで足なのか鞭なのか。

冷静になると一国の女王が恋人で、国を捨てさせてでもアントワネットだけ救い出さんとする気持ちにはちょっと待て恋は盲目ばかと言いたいところだが、人物像に魅力がないのにこんなに真ん中で堂々と主役にさせてるトップスターの力量はさすがとしか言えない。

フィナーレの爆踊り10分越えも圧巻でした。汗だくの咲ちゃんにハンカチ?タオル?を渡していた子のスマイル120%が心に刺さりましたよ。

咲ちゃん、素晴らしい上級生だったんだな(涙)

2番手朝美の時代を引っ張ってくれてありがとうございました!!

三白眼、ゾクゾクするほど大好きだったよー!!

夢白アントワネット

この方は女王が似合う。それも、フェルゼンと出会った頃より「見せてあげます~王妃の威厳を~」のところから後半。

風格の漂わせ方が憑依型なんだなって思える凄みを感じました。

牢獄の場面、透けそうな肌の白さに銀髪で質素なグレーのドレスがあんなに映える人いるか?!!

もって生まれた華やかさとはまさに!!!って体験でした。

家光公の「我は生まれながらの将軍である」ってセリフ言わせたいジェンヌ№1

縣アンドレ

この方、素の「ちさとさん」がものすごく愛情深く育てられたんかな?ってくらい愛重めのアンドレでしたね(褒めてるよ)

伯爵令嬢でその乳母の孫だよね?時代的に許されぬ恋よね?

秘めに秘め続けた恋心を、こんなに粘度を持つまで熟成させて解き放つアンドレ(褒めてる)

そっりゃ~「生きてて良かった」ってセリフ言いたくなるよね。

オスカルしか見てない、まっすぐで純粋な気持ちを縣だからこそ体現できたと思う。

雪組次期2番手、朝美さんを愛し抜いてくれ!

野々花ロザリー

私は彼女のことを「職人」だと思っている。

役作りは言うまでもないが、特に声やセリフの発音がすごい。

専門家でもなんでもないので何がどうと説明はできん。

けど、漫画に出てくるセリフを一番リアルに発声できているのはひまりちゃんだと思う。

漫画特有の笑い方「きゃは♡」とか、「うふふ♡」とかを綺麗に言葉にするの!

悲鳴や落胆の感情セリフなんかも、吹き出しが見えるかのような発声。

また一人の職人が去るのかと寂しくなりました。

音彩ジャンヌ

セリフの抑揚がとっても上手くなっていました!華やかで可愛らしいお顔ですが、癖ありまくりの役の方が良さが際立つような…

声に特徴があるので、普通の女の子の役だとアニメ声に聞こえちゃうからジャンヌくらいぶっとんでてくれて良かった。

最初のソロ歌唱も担当し、完全に娘2。

存在感もあるし、どこにいても分かる顔立ち。

歌もうまい。

次のフォルモサではどんな役作りか気になります!

まとめ

歴史に残るベルサイユのばら。

生きてる間に生の舞台を見れて、しかも朝美オスカルが生きる世界線に存在できて心から嬉しい。

叶うことなら毎週味わいたい作品でした。

次からは常に0番の朝美さんです。

全力で応援していきます。